05
業務を「分解」する
業務を分解する59 / 228
なぜ分解するのか?
  • 業務まるごとはAIに任せられない
  • 作業レベルまで分けると「ここはAI」「ここは人」が見える
  • ビフォー
    「案件管理」→アフター:8つの作業に分解
業務を分解する60 / 228
5つの工程: 集める→考える→作る→確かめる→届ける
01 集める 情報・データを 取得する INPUT 02 考える 判断・分析・ 意思決定する PROCESS 03 作る 文書・データを 生成・入力する CREATE 04 確かめる チェック・照合 検証する VERIFY 05 届ける 完成物を 送信・納品する OUTPUT POINT 業務 = この5つの工程の組み合わせ。分解すれば「どこにAIを当てるか」が見えてくる
業務を分解する61 / 228
どんな業務も5工程の組み合わせ
  • 5工程テーブル
  • 集める
    問い合わせ確認・過去履歴検索
  • 考える
    原因特定・優先順位判断
  • 作る
    報告書・メール作成
業務を分解する62 / 228
例: 「案件の新規登録・ステータス更新」を分解
工程作業内容
集める受注情報(FAX/電話/メール)を収集する
集める顧客マスタから過去取引を確認する
考える納期・優先度を判断する
作る台帳に案件情報を登録する
確かめる仕様・数量・納期を発注元と照合する
届ける関係部門(工場・営業)に共有する
業務を分解する63 / 228
例: 「納品書・請求書の自動生成」を分解
工程作業内容
集める受注情報(FAX/電話/メール)を収集する
集める顧客マスタから過去取引を確認する
考える納期・優先度を判断する
作る台帳に案件情報を登録する
確かめる仕様・数量・納期を発注元と照合する
届ける関係部門(工場・営業)に共有する
業務を分解する64 / 228
分解のコツ
  • ①動詞で書く(「確認する」「作成する」)
  • ②1工程1作業(粒度を揃える)
  • ③見落としがち
    「集める」と「確かめる」は分解忘れが多い
業務を分解する65 / 228
分解テンプレート
工程作業内容
集める受注情報(FAX/電話/メール)を収集する
集める顧客マスタから過去取引を確認する
考える納期・優先度を判断する
作る台帳に案件情報を登録する
確かめる仕様・数量・納期を発注元と照合する
届ける関係部門(工場・営業)に共有する
業務を分解する66 / 228
巧報社の全5業務を分解すると
5業
6作業
5作業
6作業
key_tasks5業務の合計作業数を予告。案件登録(6作業)+進捗サマリ(5作業)+納品書(6作業)+遅延検知(5作業)+マスタ管理(4作業)=合計約26作業
業務を分解する67 / 228
印刷業の受注生産フロー全体像
  • 受注
    製版→印刷→加工→検品→梱包→出荷の7工程を横フローで図示
  • hearing.industry_focusの印刷フロー
  • 各工程でどんな情報が流れるかを可視化
業務を分解する68 / 228
5工程フレームワークまとめ
  • どんな業務も5工程
  • 動詞で・1工程1作業で
  • 巧報社の業務は約26作業に分解可能
業務を分解する69 / 228
次は自分の業務を分解してみましょう
次は自分の業務を分解してみましょう
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受注生産フローとAppSheet台帳の関係
  • 分解した作業がAppSheet台帳のどの機能に対応するかを図示
  • 台帳=作る工程の自動化、ステータス管理=届ける工程の効率化
05
分解ワーク
業務を分解する72 / 228
自分の業務を1つ選んで分解しよう(15分)
ワーク手順
  • 1. key_tasksから1つ選ぶ(おすすめ: 自分が一番時間をかけている業務)
  • 2. 5工程テンプレートに記入
  • 3. 作業を6-8個に分解。ヒント: pain_pointsの「月20時間の納品書作成」を選ぶと効果を実感しやすい
ヒント
推奨: 案件の新規登録・ステータス更新
業務を分解する73 / 228
ワークの記入例: 遅延案件の検知と初動対応
工程作業内容
集める受注情報(FAX/電話/メール)を収集する
集める顧客マスタから過去取引を確認する
考える納期・優先度を判断する
作る台帳に案件情報を登録する
確かめる仕様・数量・納期を発注元と照合する
届ける関係部門(工場・営業)に共有する
業務を分解する74 / 228
分解結果のチェックポイント
  • ①動詞で書けているか?
  • ②1作業が15分以内で終わる粒度か?
  • ③「集める」と「確かめる」を見落としていないか?
業務を分解する75 / 228
分解結果を隣の人と共有
ワーク手順
  • 1. 2-3分で隣の人と分解結果を見せ合う
  • 2. 「自分では気づかなかった作業」を発見するのが目的
ヒント
2-3分で隣の人と分解結果を見せ合う。「自分では気づかなかった作業」を発見するのが目的
業務を分解する76 / 228
営業の分解例: 見積り作成
作業言葉パターン大量AI適用任せ方
受注情報収集YYYYES丸ごと任せる
顧客マスタ確認 ★YYYYES丸ごと任せる
納期・優先度判断NNNNO人がやる
台帳登録 ★YYYYES丸ごと任せる(AppSheet)
仕様照合YYNYES壁打ち相手
部門共有 ★YYNYES下書きを任せる
業務を分解する77 / 228
事務の分解例: 月次集計
  • ①集める
    各案件の売上データを収集
  • ②集める
    前月データと比較用データを取得
  • ③考える
    増減の要因を分析
  • ④作る
    月次レポートを作成
  • ⑤確かめる
    数値の整合性を確認 ⑥届ける:経営者に報告
業務を分解する78 / 228
工場の分解例: 出荷準備
作業言葉パターン大量AI適用任せ方
受注情報収集YYYYES丸ごと任せる
顧客マスタ確認 ★YYYYES丸ごと任せる
納期・優先度判断NNNNO人がやる
台帳登録 ★YYYYES丸ごと任せる(AppSheet)
仕様照合YYNYES壁打ち相手
部門共有 ★YYNYES下書きを任せる
業務を分解する79 / 228
全員の分解結果を振り返り
  • 講師がワーク結果を拾い上げてコメント
  • 「分解できた=AI適用の第一歩完了」
業務を分解する80 / 228
業務分解のチェックポイント
  • 動詞で書く
  • 1工程1作業
  • 6-8作業に分解できればOK
  • 次のステップ
    この作業のどれがAI向きかを判断する
業務を分解する81 / 228
分解した作業、どれをAIに任せる?
分解した作業、どれをAIに任せる?
06
AIを当てる場所を見極める
AI適用箇所を判断する(理論)83 / 228
3つの問い: 言葉? パターン? 大量?
  • ①言葉を扱う作業か?
  • ②パターンや定型がある作業か?
  • ③大量に繰り返す作業か?
AI適用箇所を判断する(理論)84 / 228
AIに向いている作業 vs 向いていない作業
  • 対比テーブル
  • 向いている
    言葉を扱う・パターンあり・大量処理・正解が複数あり得る
  • 向いていない
    身体を使う・一回きりの判断・少量で人が早い・正解が1つ
AI適用箇所を判断する(理論)85 / 228
巧報社「案件登録」の各作業に3つの問いを当てはめる
工程作業内容
集める受注情報(FAX/電話/メール)を収集する
集める顧客マスタから過去取引を確認する
考える納期・優先度を判断する
作る台帳に案件情報を登録する
確かめる仕様・数量・納期を発注元と照合する
届ける関係部門(工場・営業)に共有する
AI適用箇所を判断する(理論)86 / 228
巧報社「納品書生成」の各作業に3つの問いを当てはめる
工程作業内容
集める受注情報(FAX/電話/メール)を収集する
集める顧客マスタから過去取引を確認する
考える納期・優先度を判断する
作る台帳に案件情報を登録する
確かめる仕様・数量・納期を発注元と照合する
届ける関係部門(工場・営業)に共有する
AI適用箇所を判断する(理論)87 / 228
判断のコツ: 2つ以上YesならAI向き
6作業
4作業
大きく「2/3 Yes = AI向き」を表示。巧報社の場合: 案件登録6作業中4作業がAI向き。実感を持たせる数字
AI適用箇所を判断する(理論)88 / 228
迷ったときの基準
  • ①「壁打ち相手」として試す
  • ②一部だけAIに任せる
  • ③うまくいかなければ人に戻せばいい。完璧な判断は不要
AI適用箇所を判断する(理論)89 / 228
AppSheetとAIの使い分け
  • データ登録・検索・通知=AppSheet、文書生成・分析・要約=AI(Gemini)
  • 巧報社の場合
    台帳操作はAppSheet、レポート生成やメール下書きはGemini
AI適用箇所を判断する(理論)90 / 228
判断軸1のまとめ
  • 3つの問い(言葉/パターン/大量)で作業の性質を見極める
  • 2/3以上YesでAI向き
AI適用箇所を判断する(理論)91 / 228
AI向きと分かったら、次は「どこまで任せるか」
  • 5a
    5bへの接続
  • AI向きの作業にも「任せ方」のグラデーションがある
AI適用箇所を判断する(理論)92 / 228
print業界特有のAI活用ポイント
  • ①仕様の専門用語(版型・色数・加工)はAIに説明が必要
  • ②図面・写真データは画像分析可能
  • ③納期管理のパターン認識は得意分野
AI適用箇所を判断する(理論)93 / 228
AI向きと分かった。では、どこまで任せる?
AI向きと分かった。では、どこまで任せる?
AI適用箇所を判断する(理論)94 / 228
任せ方は4つ: 丸ごと / 下書き / 壁打ち / 人
AI 100% 人間 100% AI 100% 丸ごと任せる AIの出力を そのまま使う データ整形 議事録要約 AI 70% 下書きを任せる AIに叩き台を作らせ 人が仕上げる メール文面 報告書 AI 40% 壁打ち相手 AIにアイデアを出させ 人が選ぶ 原因分析 改善案 AI 0% 人がやる 判断・責任・感情が 伴う仕事 最終承認 顧客交渉
AI適用箇所を判断する(理論)95 / 228
各任せ方の具体例
  • テーブル
  • 丸ごと
    議事録要約・データ整形
  • 下書き
    メール文面・報告書
  • 壁打ち
    ブレスト・原因分析
AI適用箇所を判断する(理論)96 / 228
巧報社「案件登録」に任せ方を適用
作業言葉パターン大量AI適用任せ方
受注情報収集YYYYES丸ごと任せる
顧客マスタ確認 ★YYYYES丸ごと任せる
納期・優先度判断NNNNO人がやる
台帳登録 ★YYYYES丸ごと任せる(AppSheet)
仕様照合YYNYES壁打ち相手
部門共有 ★YYNYES下書きを任せる
AI適用箇所を判断する(理論)97 / 228
巧報社「納品書生成」に任せ方を適用
作業言葉パターン大量AI適用任せ方
受注情報収集YYYYES丸ごと任せる
顧客マスタ確認 ★YYYYES丸ごと任せる
納期・優先度判断NNNNO人がやる
台帳登録 ★YYYYES丸ごと任せる(AppSheet)
仕様照合YYNYES壁打ち相手
部門共有 ★YYNYES下書きを任せる
AI適用箇所を判断する(理論)98 / 228
「全部任せる」以外の選択肢を持つ
  • 重要メッセージ
    AIは0か100かではない
  • 「下書き」と「壁打ち」が実務では最も使える
  • 印刷業の品質管理は人の最終判断が必須
AI適用箇所を判断する(理論)99 / 228
巧報社5業務の任せ方マップ(全体像)
  • key_tasks5業務×任せ方4段階のマトリクス
  • 色分け表示
  • 各業務の中で一番効果が大きい作業を★で強調
AI適用箇所を判断する(理論)100 / 228
5b活用マップのテンプレート
  • 受講者がDay3ワーク(5c)で使う空欄テンプレート
  • #|作業|言葉?|パターン?|大量?|AI向き?|任せ方
AI適用箇所を判断する(理論)101 / 228
判断軸まとめ
  • 3つの問い(性質判断) +
  • 4つの任せ方(程度判断) = AI適用マップ完成
  • 次のワークで自分の業務に適用
AI適用箇所を判断する(理論)102 / 228
分解→判断を体験した今、振り返ってみましょう
分解→判断を体験した今、振り返ってみましょう
生成AI×人の協働設計
サンドイッチ構造: 人間→AI→人間
協働の設計思想105 / 228
巧報社の納品書作成をサンドイッチで見ると
案件の進捗が口頭伝達のみで、全体像が誰にも見えない
顧客名・製品名の表記ゆれが多発し、集計が合わない
完成品の保管場所がわからず発送が遅れる(週数回)
納品書・請求書の手作業作成に月20時間以上
インク使用量が手書き→口頭→転記で情報が遅延・欠損
協働の設計思想106 / 228
遅延検知もサンドイッチ
作業言葉パターン大量AI適用任せ方
受注情報収集YYYYES丸ごと任せる
顧客マスタ確認 ★YYYYES丸ごと任せる
納期・優先度判断NNNNO人がやる
台帳登録 ★YYYYES丸ごと任せる(AppSheet)
仕様照合YYNYES壁打ち相手
部門共有 ★YYNYES下書きを任せる
協働の設計思想107 / 228
AI=代替ではなく分業
  • サンドイッチ構造のまとめ
  • AIは「間に挟まる」パートナー
  • 巧報社では準備と仕上げは必ず人
AIは「超優秀な新人アシスタント」
AI=0→80点、人間=80→100点
協働の設計思想110 / 228
巧報社で80→100点の実例
  • ①メール下書き
    Geminiが80点の文面→人が取引先との関係性を考慮して調整=100点
  • ②進捗レポート
    Geminiが数値サマリ80点→人が「工場の実感」を一言加える=100点
協働の設計思想111 / 228
なぜ100点まで人が必要か
  • ①仕様ミスは直接クレームに
  • ②取引先との信頼関係は人
  • ③色の判断・仕上がり確認は現場の目。AIの80点をそのまま出さない意識
協働の設計思想112 / 228
Day2まとめ
  • 5工程で業務を分解できた
  • 3つの問い+4つの任せ方で判断できた

  • AI→人のサンドイッチ
  • 次回
    実際にAIへの指示(プロンプト)を書く